イスラム教のモスク、ヒンドゥー教の寺院とすでにふたつの異なる宗教施設を巡ったわけだが、最後に小笠原さんが外国人支援をするきっかけとなった仏教寺院「スリ・サンブッダローカ寺院」へ。亀仙人街からやはり車で15分ほど、常総市の隣、つくば市にある。
この日は、小笠原さんの知り合いの日本語ができるお坊さんは法事で出かけていたため、まだ日本に来たばかりのお坊さんたちに案内してもらった。小笠原さんは電話を取り出し、さきほどのシネットさんに電話をする。すると電話の向こう側でシネットさんが通訳してくれるではないか!
通訳のおかげで、このお寺は14年ほど前に建立され、この地域のスリランカの人たちの心のよりどころのとなってきた、ということがわかった。
この日はスリランカから、壁画アーティストのサンタさんが、新しい建物の壁画制作のために来日していた。にこやかな笑顔のサンタさんは、まずお茶をすすすめてくれたあと、片言の英語で、まだ工事中のお堂の中を案内してくれた。来日してからずっと、ここで壁画の制作をしているそうだ。この「キャンディアン・スタイル」という伝統絵画は、素朴でカラフル。壁画からはスリランカ仏教の教えがわたしたちにも伝わるよう、大胆に判りやすく描かれている。
その後、お坊さんたちにお祈りをしてもらい、白い糸でできた「ピリット」と呼ばれるお守りを腕に巻いてもらった。そしてここでも、サモサやサンドイッチなどたくさんの食べ物をいただいて、お寺を後にしたのであった。この日は行く先々で出会う人々にいただきものをする、幸せな一日でもあった。