ラオス文化センターには、ふたりのお坊さんが駐在している。お坊さんのことをビルン会長達は、神聖な人として敬い「アーチャン(先生)」と呼んでいるのが印象的だった。言うならば、生き神様のような存在なのかもしれない。ちなみに、ふたりの食事は近所に住むラオス人か役員がお供えものとして準備する。
僧侶のパラマハー・シンハー・カイアンポーンさんは、ヴィエンチャンのドンサオン寺から派遣され渡日した。33歳の若さで、僧侶の9段階級ある一番上のレベルを取得したのだそう。ラオスでは初の快挙だという。私はシンハーさんに手を合わせ深々とお礼をした。
今回、電話で取材のアポをとった際に、対応してくれたのがもうひとりのお坊さん、プラ・カンモーン・ソーンマニーさんだった。私の拙いラオス語を一生懸命理解しようと努めてくださっていた。
私がラオスにどハマりした理由のひとつは、ラオス人の人懐っこさにある。ヴィエンチャンの街をひとりで歩いていると、家の玄関先で家族揃って「なぜ、女の子がひとりで歩いてるの? ご飯食べたの?」と聞かれ「ごはん一緒に食べよう」と誘われたことがあった。それも一度のことではない。
ラオスでは「元気?」と挨拶するかわりに「キンカーオレーオボー?(ご飯食べた?)」と尋ねられる。
食べていないと答えると、「食べていきなさい」と招待され、食べたと言うと「ビールでも飲んでいきなさい」と誘われた。
ある日、その誘いにのった私に、「これおいしいよ、最高だよ」とおすすめのラオス料理を振る舞ってくれた。ラオスの料理はどれもこれもおいしくて、日本人の口に合う。「おいしい!」と反応するとケラケラうれしそうに笑いながら、あれもこれもと出してくれる。料理だけではない、時にはお気に入りの場所や、若者に流行っているというディスコなどに連れて行ってくれた。
幸せのお裾分けをするのがラオス人はとにかく上手なのだ。