アップルパイタクシー、最後の目的地は弘前れんが倉庫美術館に併設されたカフェ&レストラン「BRICK(ブリック)」。こちらはミュージアムショップを兼ねており、2020年7月、美術館のオープンと同時に開店した。店内は天井が高く、広々としていて、洗練された雰囲気だ。リンゴのお酒「シードル」の醸造タンク「A-FACTORY」が、独特の存在感を放つ。
ここのアップルパイは、葡瑠満やジョルダンとはまたひと味違う。全国的に名を知られた弘前のイタリアン「オステリアエノテカ ダ・サスィーノ」の笹森通彰さんがレシピを監修。笹森さんのアイデアで南部鉄器の老舗、岩手の及源鋳造とコラボした「アップルパイクッカー」で焼き上げる。
「注文が入ってから、店内でひとつひとつ焼いているんですよ。パイ生地のなかのカスタードクリームも最後に絞って、フレッシュな状態で提供しています。このアップルパイを目指して来店する方もいますね。多い時は1日に20個ほど注文が入る日もあります」(店長の小林恭子さん)
茎や葉っぱもしっかり表現されたリンゴ型のアップルパイのお皿のうえには、バニラアイスと一緒に花びらや葉っぱがアレンジされていて、ナイフとフォークが用意されている。
それを無視してホカホカのアップルパイにがぶっとかぶりついたら、薄めの生地がパリパリッと割れた。そのなかから、トロトロのカスタードクリームと酸味が爽やかな紅玉がこんにちは! バニラアイスと一緒に食べると、また違う食感を楽しめる。名のあるシェフがアップルパイを再構築するとこうなるのか! という新感覚のおしゃれスイーツだ。