さあ、二軒目は、コンシェルジュふたりの「地元民からも愛される店」という意見が一致した洋菓子店「ジャルダン」。こちらも1976年創業の老舗で、ぱっと見は昔ながらの洋菓子店という趣き。こんにちは~とお店に入ると、ショーケースにアップルパイが置かれていた。
アポなし訪問だったので、店頭に立つ女性に「アップルパイタクシーに乗って、アップルパイの取材に来ました」と告げると、厨房にいた店のご主人、葛西清逸さんを呼び出してくれた。早速、葛西さんにアップルパイの特徴を聞く。
「アップルパイを作り始めたのは、店を開いた翌年から。地元で採れた紅玉を生のまま買って、うちで加工しています。紅玉は酸味と香りがよくて、私が好きなんですよ。パイ生地は、今はできあいのものもあるけど、うちは自家製です」
たまたま居合わせたお客さんは、注文していたアップルパイのホールを受け取りに来たところで、「ここのパイ生地が私は好きです。市販のやつは次の日にはくたっとしちゃうけど、ここはサクッとしてるんですよ」と教えてくれた。
そのお客さんが受け取ったアップルパイは、なんともかわいらしいリンゴの形! 2001年に弘前商工会議所が主催した第1回アップルパイコンテストに出品する際、葛西さんが「ほかと違う変わったものを作ろう」と考案したそうで、これで初代グランプリに輝いた。