八戸の中心部に「八戸クリニック」という産婦人科の病院がある。
そのとなりにある小さなビルの2階が、次の目的地「八戸クリニック街かどミュージアム」だ。ここは、館長兼学芸員の小倉学さんと数名のスタッフで運営している私設の美術館だ。コレクションの目玉の一つは吉田初三郎。加えて、伝統木版画と映画のポスターをコレクションの3つの柱としている。現在はコレクションで展示構成する春秋年に2回の展覧会期間中のみ、開館している。
訪れた日は、数日後にオープンを控えた秋季の展覧会「旅する絵師 同時代を生きた川瀬巴水と吉田初三郎」(*現在は開催中。11月13日まで)の展示準備の真っ最中だった。展示室を覗くとほとんどの絵は壁にかかっているものの、資料やキャプションなどの細かい展示作業がまだまだ残っているようであった。普段は見ることができない美術館の展示準備作業を見ることできるのも、ラッキーな体験である。
そんな慌ただしい時にもかかわらず、小倉さんはにこやかに展示室へと招き入れてくれたのであった。
『八戸クリニック街かどミュージアム』開催中の展覧会