未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
197

福島県金山町

福島県の西、会津地方の深い山の中。そこには炭酸水の湧き出る井戸と温泉がある。国内ではとても珍しい天然水を味わい、極上の炭酸泉に浸かるべく、秘境ムードたっぷりの金山町を旅した。

文= Numa
写真= Numa
未知の細道 No.197 |10 November 2021
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福島県金山町

最寄りのICから【E49】磐越自動車道「西会津IC」を下車

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#1絶景の秘境路線

交通の便が悪く「陸の孤島」と呼ばれるような場所を訪れるのが大好きな私は、いつか訪れたい「旅のウィッシュリスト」に、かなり前から「奥会津」と書き込んでいた。

奥会津とは福島県会津地方の西半分に当たる地域を指す。もう少し細かくいえば、西に越後山脈、東に奥羽山脈に挟まれた内陸地方のことで、会津藩時代からの中心都市である若松の北西にある七折峠を越えた山間地のことだ。

ある夏、筋金入りの子鉄に育った5歳の長男が、国内屈指のローカル線として知られるJR只見線に乗ってみたいと言い出し、「こんど乗ろうね」などと話していたところ、その路線が奥会津を貫通する路線だと気づき、思い切って旅をしてみることに決めた。

JRのパンフレットには、どれもため息の出るような絶景の中を走る只見線の写真がいくつもあった。息子はその風景を自分の目で確かめられると興奮気味。「どうせなら全駅制覇してみよう」となり、新潟県側の終点である小出駅からディーゼル車特有の振動音に揺られ、奥会津の先にある会津若松駅を目指した。

越後山脈を越えると「絶景の秘境路線」らしい、自然美がぐいぐいと眼前に迫る光景が続く。一部区間は2011年の新潟・福島豪雨による被害で現在も不通となっていて、バスによる振替輸送が行われていた。けれども待望の鉄道旅にでかけたはずの息子は、どこか不満げだった。「待てども待てどもJRのパンフレットで見た絶景が現れないから」らしい。

広告写真のような、大自然の中を走る只見線は、もちろん車窓からは見ることができないシロモノ(少なくとも電車を降りて撮影スポットまで移動する必要がある)。とはいえ5歳児には、まだそこまでの理解力が備わっていないのであった。

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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。