未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
186

『旅の思い出』編 海岸線を東から西へ 鳥取の写真集を作る旅

文= 松本美枝子
写真= 松本美枝子
未知の細道 No.186 |25 May 2021
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#10鳥取の海を眺めて

旅の最終日、写真集の締めとなるカットをどうしようかなあ、と考えた。

旅の間、ほとんど一人で行動していたのだが、鳥取市内で遠隔でコーディネートしてくれていたまりちゃんが、最後の撮影に同行してくれることになった。

まりちゃんと相談して、隣の島根県松江市までいって、境港の海を眺めて見ることにしたのである。県は違うけれど、境水道(鳥取の弓ヶ浜半島と島根県の島根半島の間の水域)を挟んで、松江市と境港市は隣同士で近いのだ。

この日は雨が降っていた。車で境水道大橋を渡り、島根半島から境港の方向を眺める。30分で戻れる距離だけど、少し離れた県外から眺める鳥取の海は、なんだか懐かしい気がした。旅としてはまあまあ長いかもしれないけれど、「暮らした」というには、三週間は短い。でも鳥取の海を好きになるには、十分すぎる時間だった。

どこか外国へと行く船だろうか。大きな船が境港からゆっくりと沖に向かって出ていくのが見える。最後にとったこの写真を、写真集の表紙に使うことにした。

※未知の細道では、新型コロナウイルスの影響が収まるまで、ライター陣の過去の旅をつづるエッセイを掲載いたします。

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「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
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