未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
186

『旅の思い出』編 海岸線を東から西へ 鳥取の写真集を作る旅

文= 松本美枝子
写真= 松本美枝子
未知の細道 No.186 |25 May 2021
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#9最後の町 境港

東から西へと移動していくうちに、旅もだんだん終わりに近づいてきた。
そして最終目標であった境港の町へと辿りついたのだ。
鳥取砂丘と並んで、境港もどうしても行きたい場所だった。大好きな漫画家・水木しげる大先生の生まれた町だからだ。町の中には観光客が多いけれど、夕方、古い路地裏からはなんとなく妖怪が出てきそうな、しっとりした町でもあった。やはり藝住祭に参加していた「NPO法人こども未来ネットワーク」のAIRに泊まらせてもらった。

境港からは隠岐島へ向かう船だけでなく、韓国やロシアへの定期航路もある。船着場にはロシア人女性が受付をしていて、ちょっと外国のような雰囲気もあった。

何日目の朝だったか、起きて、通りに出ると港に巨大な船が、ドーンとそびえ立っているのが見えた。それは突然現れた城壁のようでもあり、昨日までの町と、まったく風景が違っている。慌てて港に向かいながら壁の写真を撮りまくる。壁が近づくにつれ、それは海外航路の有名な豪華客船だということがわかった。船のなかからたくさんの外国人観光客が降りてくる。港には出店も出て華やかだ。停泊している間、乗客たちは境港の町に繰り出すのだろう。その日は、町中に外国人が溢れていた。

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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。