未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
186

『旅の思い出』編 海岸線を東から西へ 鳥取の写真集を作る旅

文= 松本美枝子
写真= 松本美枝子
未知の細道 No.186 |25 May 2021
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#3誰もいない砂丘

撮影の前から、どうしても行きたかった場所があった。それはかの有名な「鳥取砂丘」である。実は一度も行ったことがなかったのだ。

鳥取砂丘には、観光客がたくさんいて、それを乗せるラクダもいるような、一大観光地というイメージがあった。ところが私が砂丘に行った時、人はほとんどいなかった。

鳥取砂丘はあまりにも広いため、場所や時間帯によってはまったく人がいないようなところもあるという。私が行ったのは、たまたま人があまり来ないところだったのだろう。平日だったのもあるかもしれない。

大きな砂の丘を越えても、誰かとすれ違うことはなかった。そして歩いても歩いても、海はまだまだ遠いのだ。砂漠みたい。広角レンズでシャッターを切っても、映るのは白い砂と海ばかり。

目をこらすと遠くの洋上に、ポツンと白いヨットが見える。
今、ここの海と白い砂と青い空を堪能しているのは、私とあのヨットの上の人だけなのかもしれない、と思った。

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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
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