未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
156

気温は氷点下!だけどホッコリ温かい! 層雲峡氷瀑まつりが12万人を集める理由

文= 川内イオ
写真= 川内イオ
未知の細道 No.156 |25 February 2020
この記事をはじめから読む

#7台湾のお母さんの笑顔

氷瀑まつりのメインイベント、打ち上げ花火。花火がない日もあるので要確認。

そして、氷瀑まつりの目玉といえば花火。僕が取材に行った日も20時半から打ち上げが始まるとあって、20時過ぎからどんどん観光客が増えていった。その日はけっこう雪が降っていたし、時間も10分ほどだったけど十分に楽しめた。雪が降っていない月夜の晩もきれいだろうなあ。

花火の後、バーゲンセール初日のような盛り上がりを見せた餅まきも終わったタイミングで、小さな子どもふたりを連れたお母さんに話しかけた。台湾から来たという旅行者だったからたどたどしい英語で質問すると、素敵な笑顔で答えてくれた。

―北海道は初めて? お母さん「私は3回目。でも子どもたちは初めてなの!」

―3回目!北海道が好きなんですね! お母さん「イエス、イエス!」

―このお祭りは初めて? お母さん「そう、初めて来たわ」

―どうだった? 楽しめた? お母さん「イエス! 子どもたちは氷の滑り台が楽しかったみたい。私は雪のなかで花火を観るのが初めてで、すごくよかった!」

ありがとう、バイバイ! と互いに手を振って別れた。その時に気づいた。お母さんの手に、お餅が3つ。母は強し。

決して行きやすい場所じゃない冬の層雲峡のお祭りに、なんで12万人も? という疑問が、この取材のきっかけだった。氷瀑まつりからは小さな子どもから高齢者まで、来場者みんなに楽しんでもらおう、思い出を作ってもらおうという心遣いと手作りの温かみが伝わった。それこそ、駐車場の一角から始まった小さなお祭りが45年続き、2カ月で12万人を呼び込むようになった最大の理由という気がした。

未知の細道のに出かけよう!

こんな旅プランはいかが?

気温は氷点下!だけどホッコリ温かい!層雲峡氷瀑まつり 旅プラン

最寄りのICから【E5】道央自動車道「旭川北IC」を下車
1日目
旭川からバスに乗り、層雲峡へ。日が暮れる前の青々とした会場と、ライトアップされた夜の会場を見比べるのがお勧め。夜は温泉で冷えた身体を温めよう。
層雲峡観光協会
2日目
層雲峡からバスで上川駅へ(30分程度)。2017年にオープンして以来、全国的な人気を誇る上川大雪酒造の酒蔵「緑丘蔵(りょっきゅうぐら)」を見学。併設のギフトショップで現地限定の日本酒も購入可能。上川駅からはバスか電車で旭川へ。
上川大雪酒造株式会社

※本プランは当サイトが運営するプランではありません。実際のお出かけの際には各訪問先にお問い合わせの上お出かけください。

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。