未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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気温は氷点下!だけどホッコリ温かい! 層雲峡氷瀑まつりが12万人を集める理由

文= 川内イオ
写真= 川内イオ
未知の細道 No.156 |25 February 2020
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#2冬も層雲峡に来てほしい

大正時代から温泉地として知られるようになった層雲峡。

旭川駅前のバス停で、いわゆる路線バスに乗っておよそ2時間。途中で山と山の間を走る道に入り、グングン進んでいった終点が、温泉地として有名な層雲峡だ。

ちなみに、層雲峡のあたりは1915年(大正4年)に塩谷さんという人が最初の温泉宿を開いたこともあり、もともと塩谷温泉と言われていたそう。ところが1921年(大正10年)に明治の文豪、大町桂月が塩谷温泉を訪れた際、この地域の部落がアイヌ語で「滝の多い川」を意味する「双雲別(そううんべつ)」と呼ばれていたことを知り、「層雲峡」と名付けたそうだ。さすが文豪。塩谷温泉より層雲峡のほうが、響きも字面も秘境感がある。

今回お話を聞かせてもらった層雲峡観光協会の事務局長、中島慎一さん。18回目からこの祭りに携わっているそう。

標高600メートルの山間にある層雲峡は荒々しい山に挟まれた大渓谷で風光明媚、大雪山系のひとつである黒岳への登山口もあるため、北海道有数の温泉街として発展した。しかし、課題がひとつ。層雲峡観光協会の事務局長、中島慎一さんによると、雪深い冬の時期は旅行者が激減し、「観光客よりも従業員のほうが多い」状態になっていたそうだ。冬も層雲峡に来てほしい。町の人たちの願いを込めて始まったのが、氷瀑まつりだった。

取材に行った記念に撮影してもらった。

「第1回は1975年ですね。北海道タイムスという新聞社(1998年に廃刊)の方から造形作家の竹中さんを紹介してもらって、そこから氷瀑まつりが始まったんです」

未知の細道のに出かけよう!

こんな旅プランはいかが?

気温は氷点下!だけどホッコリ温かい!層雲峡氷瀑まつり 旅プラン

最寄りのICから【E5】道央自動車道「旭川北IC」を下車
1日目
旭川からバスに乗り、層雲峡へ。日が暮れる前の青々とした会場と、ライトアップされた夜の会場を見比べるのがお勧め。夜は温泉で冷えた身体を温めよう。
層雲峡観光協会
2日目
層雲峡からバスで上川駅へ(30分程度)。2017年にオープンして以来、全国的な人気を誇る上川大雪酒造の酒蔵「緑丘蔵(りょっきゅうぐら)」を見学。併設のギフトショップで現地限定の日本酒も購入可能。上川駅からはバスか電車で旭川へ。
上川大雪酒造株式会社

※本プランは当サイトが運営するプランではありません。実際のお出かけの際には各訪問先にお問い合わせの上お出かけください。

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。