未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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あの日、寂れた街が劇場になった!

イクオさんが野毛・大道芸とともに歩んだ30年

文= 川内有緒
写真= 川内有緒
未知の細道 No.134 |25 March 2019
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#6「道」が劇場になった!

初期の頃の野毛大道芸フェスティバルで。
この後、服に火が燃え移ってしまった。

 こうした経験から生まれたのが、野毛大道芸フェスティバルの前身となる「横浜野毛祭(1985年)」だ。路上でアートや音楽、大道芸を披露するイベントで、仲間内のちょっとした酒の上の会話から「やろう!」と盛り上がり、自然発生的に始まった。

 ちょっと話はそれるが、「野毛大道芸フェスティバル」の公式HPに掲載されている初期の立ち上げメンバーの座談会がめっぽう面白い。その中で、同じく初期のフェスティバル・プロデューサーの福田豊さん(野毛で中華料理屋を経営)は、「あの頃、僕らが使えるものは“道”しかなかった」と振り返っている。
 僕らには“道”しかない、というカッコいいメタファーでもなんでもなく、「野毛には広場もなかったし、横浜にぎわい座もなかった。それで、やるとなったら道しかねぇだろうと」(福田豊さん)。

 そう、野毛にはそれくらい何もなかった。イクオさんも当時こう感じていた。

 この街はもう寂れきってて、失うものがないからなんでもやっちゃおう!

未知の細道のに出かけよう!

こんな旅プランはいかが?

横浜、アートと大道芸をめぐる旅プラン

予算の目安20.000円〜

最寄りのICから【K1】首都高速神奈川1号横羽線「みなとみらいIC」を下車
1日目
横浜美術館BankARTなど、美術館やアートスポットをめぐりましょう。
本が好きならば、黄金町アートブックバザールも楽しい。

夜は、野毛のディープな夜を楽んで。
色々なお店を何軒もハシゴするのも野毛ならではです。
「ル・タン・ペルデュ」「うっふ」のステージの情報は要チェック!
2日目
野毛大道芸フェスティバルの時期ならば、1日めぐって楽しみましょう。
もしくはお散歩気分で、山下公園赤レンガ地区中華街など好きなスポットを巡ろう。

ファミリーならば、野毛山動物園に足を運んでは?
たくさんの動物が見られますよ!

※本プランは当サイトが運営するプランではありません。実際のお出かけの際には各訪問先にお問い合わせの上お出かけください。

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。