未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
132

豪雪地帯の「奇跡の集落」で、かき氷を食べてみる!?

文= 松本美枝子
写真= 松本美枝子
未知の細道 No.132 |25 February 2019
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#3「かまくら」と「ほんやら洞」をつくる

投雪機を操縦する多田さん

 さて杉崎さんのプレゼンが終わり、早速一同は外に出て二手に分かれ、かまくら、そして「ほんやら洞」も作ることになった。
 ほんやら洞とは、耳慣れない言葉だが、新潟県魚沼地方で雪洞のことをさす。かまくらと違って雪の壁を利用して大きな空間を作り、屋根がわりに、ブルーシートなどで覆う。かまくらよりも、大きな空間を作りやすいのが特徴だ。

 ほんやら洞はまず降り積もった雪を割るようにして雪かきし、できた空間の手前に、投雪機で雪を投入して壁を作る。中に残った人たちがさらに雪を掘って、空間をおし広げていく。

ほんやら洞づくりを、上から覗いてみる

 そして手前に作った壁に、今度は外側から入り口を開けていく。杉崎さんが雪をかいていくと雪の壁がうっすらと明るくなった。最後にひとかきすると中で作業していた、池谷集落の地域おこし協力隊員、安藤さんの笑顔が見えたのであった!

入り口が貫通した!

 一方、かまくらづくりはもう少し大変だ。大きな空間を大人数で一気に作ることができるほんやら洞と違って、まずは一人で小さな穴を堀り進めていかなくてはならない。千葉県から十日町の市街地に引っ越してきたばかりの夫婦、内田さん夫妻の旦那さんが、まずは一人で、しゃがみこんでコツコツと雪かきをすることになった。

かまくら作りに挑む内田さん

 1対5のチームに分かれ、作業をしている中、私は分校の中に戻り、キッチンを覗いてみた。かまくらづくりの後、みんなで食べる夕飯の鍋を、美佳さんが仕込んでいたのであった!

NPOの職員として地域おこしに取り組む美佳さん。移住した年は、この分校に住んでいたという。
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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
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