未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
130

物でも思い出でもない、新しい旅のおみやげに出会う旅

「生きる術」を持ち帰る離島の農家民宿へ

文= 小野民
写真= 小野民
未知の細道 No.130 |25 January 2019
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#6農家民宿の醍醐味は一緒に囲む夕食

1時間ほどの座学を終えると、近くのリゾート施設「インランド・シー・フェスパ」へ。大浴場や露天風呂から、瀬戸内海を一望して、ゆったりくつろげ、お土産を買うこともできる。

帰ってくると夕ごはん。ここでは、古川さん、藤巻さんと宿泊者が一緒に夕食を食べる。それも、農家民宿の楽しみかもしれない。

夕ごはん

食卓であるすべて自家製の野菜はまるふ農園で採れたものという。この日のメニューは、紅芯大根のカルパッチョ、イカと大根の煮物、豆腐のサラダ、コロッケ、それにカワハギの刺身だった。

  • 紅芯大根のカルパッチョ(左)、イカと大根の煮物(右)
  • 豆腐のサラダ(左)、コロッケ(右)

どの野菜も皮やへたの際までなるべく無駄にせず使う料理は、パンチがあるという類ではなくて、滋味深く、優しさやていねいさを想起させる味。じわじわと味が染み込んだのであろう大根は、なんの奇のてらいもないのに、自分がつくるものとは歴然とした差があるような気がした。

「おいしい、おいしい」と言いながらたらふく食べたけれど、胃もたれなし。ぐっすり寝て、気持ち良く目覚めることができた。

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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。