「おじゃましまーす」とガラガラと引き戸を開けると、そこは生活感のある普通の古民家。軒先に下げられた大根の葉や玉ねぎの皮がいかにも農家の家で、「本当に普通の家ですよねぇ」という私に、「うちは、愛媛県が認証している小規模な農家民宿で、ほとんど何も変えずに農家民宿を始めることができたんです」と藤巻さんが教えてくれた。どうやら、農業は古川さん、食堂と宿は藤巻さんとしっかり役割分担があるようだ。
宿が少ない地域なので、観光の宿泊場所として問い合わせがくることもあるが、基本的に宿泊の条件は「農的暮らしに興味があること」に限っている。
まさにその条件にはぴったりな私。なにか自分の暮らしに生かすヒントを見つけるのだ、と前のめり。到着して間もなく、宿で古川さんの「自然農法講座」を受けた。