未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
130

物でも思い出でもない、新しい旅のおみやげに出会う旅

「生きる術」を持ち帰る離島の農家民宿へ

文= 小野民
写真= 小野民
未知の細道 No.130 |25 January 2019
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#3いち農家の暮らしのリアルを伝える

軒先に下げられた清物用の日野菜カブや、ヒバ湯用の大根菜など

「おじゃましまーす」とガラガラと引き戸を開けると、そこは生活感のある普通の古民家。軒先に下げられた大根の葉や玉ねぎの皮がいかにも農家の家で、「本当に普通の家ですよねぇ」という私に、「うちは、愛媛県が認証している小規模な農家民宿で、ほとんど何も変えずに農家民宿を始めることができたんです」と藤巻さんが教えてくれた。どうやら、農業は古川さん、食堂と宿は藤巻さんとしっかり役割分担があるようだ。

宿が少ない地域なので、観光の宿泊場所として問い合わせがくることもあるが、基本的に宿泊の条件は「農的暮らしに興味があること」に限っている。

まさにその条件にはぴったりな私。なにか自分の暮らしに生かすヒントを見つけるのだ、と前のめり。到着して間もなく、宿で古川さんの「自然農法講座」を受けた。

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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。