さて、一方の私は東京の渋谷区生まれ、渋谷区育ち。1日の大半をPCに向かって過ごす。自宅の裏には、「川」とは名ばかりの汚い用水路が流れ、近くの「公園」は1分も走れば道路に飛び出すほどの狭さを誇る。
そんな排気ガスあふれる大都会に暮らしているせいか。最近はむやみに森が恋しい。数日の休みがあれば、長野あたりの山中をうろうろしたくなる。といっても、別段山に登りたいわけではない。ただ、森に分け入り、深呼吸して、ちょこっと歩いて、お弁当を食べればもう満足。そんなエセなアウトドア派なわりに、トレッキングシューズとモンベルのリュックを身につけている。
正直、そんな自分に戸惑ってもいる。なぜなら私は、ずっと生粋の都会っ子を貫いてきたからだ。数年前まで、山歩きとかキャンプとか、そういった単語をまとめて毛嫌いしていた。
しかし、ある夏のこと。デキ心で訪れた上高地で、すべてが変わってしまった。林の木道を歩いている時、体は疲れているのに、逆に頭がすっとクリアになるような爽快感を覚えた。なんだろう、これ? なんだかわからないけれど、それは忘れがたい体験となったようだ。とにかく、その後はしょっちゅう「ああ、また森に行きたい」と恋心を募らせている……というわけ。
だから、今回この奥多摩に来るのは心から楽しみだった。なにせここには、森林セラピーを目的とした専用ロードが5つもあり、資格を有した森林セラピーの専門家によるガイドが受けられるのだ。
ん、ところで森林セラピーってなんぞや。それは、「医学的な証拠に裏付けされた森林浴効果」のことだそうだ。どうやら、森林浴は別に思い込みでも、迷信でもなんでもなく、心と身体によい効果があることが証明されているらしい。そうそう、あの上高地で感じたあの感じのことだよね? ということは、そのセラピーロードを歩けば、あの爽快感が再現されるのだろうか。
それならば、もう行くしかない。
そして降り立った青梅線・御嶽駅で迎えてくれたのが、土屋さんだったというわけである。
未知の細道の旅に出かけよう!
奥多摩(2日間)
予算の目安 2万円~
◎ オススメ! 土屋さんが主催する体験イベントやガイドウォークなどもチェックしてみよう。 森の演出家オフィシャルサイト
※本プランは当サイトが運営するプランではありません。実際のお出かけの際には各訪問先にお問い合わせの上お出かけください。
川内 有緒