未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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[ 第50回特別企画 ]まだ見ぬ絶景をドライブ! 未知の絶景 [ 後 編 ]

文= 志賀章人
写真= 志賀章人
動画撮影= 株式会社ネクスコ東日本イノベーション&
コミュニケーションズ

未知の細道 No.51 |20 September 2015
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#18野付半島のトドワラとナナワラ

この世の果てか、世界の終わりか。野付半島は地図で見ると悪魔の尻尾のような形に見える。3,000年ほど前に海流により運ばれてきた砂が堆積して生まれたというこの半島は、その後もゆっくりと尻尾が伸びるように形を変えている。その地形の変化により陸地で育った木々が海水に侵食されることがある。その結果が「トドワラ」と「ナナワラ」の姿である。トドワラはトドマツ、ナナワラはミズナラの成れの果て。骸のように白骨化したその姿は異様というほかなく、吸う水が変わるだけで立ち枯れてしまう木々の弱さを知ることができる。


野付半島のような特殊な地形でなくても、汚染された水を吸った木々はトドワラやナナワラのように死んでしまうことだろう。

トドワラに関しては、昨年時点では見ることができたそうだが、僕が訪れた2015年の夏時点で、ほぼ消滅してしまっていた。風化の速度は人間が思うより速い。変わりゆく絶景、それは地球上のすべての場所に言えることだろう。


----その絶景は、いつまでもそこにあるとは限らない。----

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まだ見ぬ絶景をドライブ!
未知の絶景 [ 後 編 ]

ライター 志賀章人(しがあきひと)

「え?」が「お!」になるのがコピーです。
コピーライターとして、核を書くことで、あなたの言葉にならない想いを言葉にします。
京都→香川→大阪→横浜で育ち、大学時代にバックパッカーとしてユーラシア大陸を横断。その後、「TRAVERINGプロジェクト」を立ち上げ、「手ぶらでインド」「スゴイ!が日常!小笠原」など旅を通して見つけたモノゴトを発信中。次なる旅は、夫婦で世界一周!シェアハウス暦8年の経験から、子育てをシェアする未来の暮らしも模索中。
伝えたいことを、伝えたいひとに、伝えられるようになる。そのために、仕事のコピーと、私事の旅を、今日も言葉にし続ける。
「新聞広告クリエーティブコンテスト」「宣伝会議賞」「販促会議賞」など受賞・ファイナリスト多数。

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
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