“日本最後の秘境”と言われる知床。主な見どころは車を降りて徒歩や船での観光となる。しかし、世界自然遺産をマイカーでドライブできる道もある。その名も「知床横断道路」。除雪不可能なまでの豪雪に加えて生態系への配慮もあって、18年の歳月をかけて開通(1980年)したこの道は、4月下旬〜10月までしか通れない“日本一開通期間の短い国道”でもある。
標高738mの知床峠を越える山道なのだが、頂上に着いたところで“真夏の雪”に出くわした。この旅で雪を見たのは最初で最後。冬の厳しさたるや、想像するだけで寒気がする。そう思いながらカメラのシャッターを押した瞬間、晴れていた空がモウモウと曇りはじめ、あっという間に真っ白な霧の世界に包まれた。北海道では、峠を越えれば天気も変わる。大雨が降っていたのにトンネルを抜けたら青空、なんてこともあり、出たとこ勝負な景色にまた期待してしまうのであった。
----峠を越える瞬間、トンネルを抜ける瞬間に注目。----
ライター 志賀章人(しがあきひと)