なあんだ、本当に図書館か、と落胆した人はちょっとお待ちくださいませ。「まちとしょテラソ」は、2011年に「ライブラリ・オブ・ザ・イヤー」に、さらに2013年にはTrip Advisorという旅行サイトで「一生に一度は行きたい世界の図書館」に輝いている。要するに、日本を代表する図書館なのだ。
日本を代表する図書館ってどんなところか知りたいですよね?
駅から歩くこと2分。すぐに特徴的な外観の建物が見えてきた。
中に入ると、光が溢れる大空間がばーん! と現れた。天井が高く、仕切りがないワンルームのような作りで、入り口から奥まで視界が開けている。
当たり前だけど、たくさんの人々が本を読んでいた。小さな子どもからお年寄りまで。
絵本コーナーでは、子ども達が靴をぬいでカーペットの上に座りこみ、奥のソファーコーナーでは横になっている人もいる。ここは、本好きの桃源郷じゃないか!?
——光。風。森。
建物の中なのに、そんな言葉が頭に浮かんでくる。そして、ふわりと包み込まれるような心地のよい静けさ。誰もが彼もが、自分はここにいていいという安心感を感じているように見えた。
「ここは、図書館にしては決まりがゆるいんですよ」
そう説明してくれたのは、館長の関良幸さん。「BGMが流れていたり、雑談もOKだし、ペットボトルなどのふたの付いた飲み物もOKとしています」
おしゃべりがOK? BGMもあり!? と私は静かな興奮に包まれていた。
川内 有緒