未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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これからの豊かな暮らしとは?

MeLikeと一緒に考える旅

文= 志賀章人
写真= 志賀章人、編集ひとり(Melike)一部提供
未知の細道 No.60 |20 January 2016
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#7会社を辞めなくても、やりたいことはやれる @完熟屋

「卓さんみたいな人が、色んな場所を見てきた上で山梨に住んでいるってことは、山梨にはそれだけの魅力があるということで、山梨が故郷である私は嬉しいです」

そう話していたのは、ひとりさんに卓さんを紹介したという渡辺えみさん。渡辺さんは東京で働いていたこともあったが、地元である山梨に戻ってきた。だからこそ、東京の友人が来てくれたらよいお店を紹介してあげたいし、地元のいいところを知ってもらいたいと言う。この日の取材には、渡辺さんも同行してくれたのだ。それに、山梨石和シェアエコハウスの安福さんも一緒だ。取材後は、安福さんが交流のある「完熟屋」で晩ごはんを食べることになった。

MeLikeの旅には一泊二日とは思えない密度がある。最初にバンに乗り込んだ四人も、卓さんも、安福さんも、渡辺さんも、どんどん仲間が増えていって、気がつけばこうして打ち上げみたいな夜を迎えている。ひとり旅では味わえるはずもない夜である。

ひとりさんは、MeLikeを通して“気持ちのインフラを整えたい”と話す。

「取材をすればするほど、色んな暮らし方があることがわかるんです。リモートワークだったり、二拠点居住だったり、卓さんのようなしっかりとした移住だったり。共通して言えるのは、お金とか物とかじゃない豊かさがそこにはあって、考え方ひとつでそれは手に入る。これからも取材を重ねていくことで暮らし方の選択肢を増やしていきたいと思うんです」

“旅する休職中サラリーマン”でもあるひとりさんは、会社に所属しながら面白いことにトライすることも出来るんじゃないかと言う。

「私のような平凡なサラリーマンでも、少しでも何か世の中のためになることをできないかなと、ずっと思っていたんですよ。そのとき、会社に“クリエイティブ休暇”という制度があったことを思い出して、やってみよう、と。復職したら、今の経験を活かして、会社の事業にプラスになることができたらと思っています」

ここで言う「クリエイティブ休暇」とは、年単位の長期休暇を取得する代わりに、会社ではできない経験を積んで成長し、復職後に会社に還元していくような前向きな休職制度。まだ、取り入れている企業は少ないが、ひとりさんが勤めている会社のように、自由にチャレンジさせてもらえる会社が増えればいいな、と心から思う。

たとえ休職制度がなくても、やってみたい企画や、理想の暮らしがあるならば、ひとりひとりが勤めている会社に提案してみること。それこそが、「これからの豊かな暮らし」が生まれる起爆剤にきっとなる。これからのMeLikeの旅が、ますます楽しみに思える旅だった。

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未知の細道 No.60

ライター 志賀章人(しがあきひと)

「え?」が「お!」になるのがコピーです。
コピーライターとして、核を書くことで、あなたの言葉にならない想いを言葉にします。
京都→香川→大阪→横浜で育ち、大学時代にバックパッカーとしてユーラシア大陸を横断。その後、「TRAVERINGプロジェクト」を立ち上げ、「手ぶらでインド」「スゴイ!が日常!小笠原」など旅を通して見つけたモノゴトを発信中。次なる旅は、夫婦で世界一周!シェアハウス暦8年の経験から、子育てをシェアする未来の暮らしも模索中。
伝えたいことを、伝えたいひとに、伝えられるようになる。そのために、仕事のコピーと、私事の旅を、今日も言葉にし続ける。
「新聞広告クリエーティブコンテスト」「宣伝会議賞」「販促会議賞」など受賞・ファイナリスト多数。

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「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。