町の商工観光課によると、宝達志水町とオムライスの縁は、1922年に遡る。宝達志水町出身の北橋茂男(当時22歳)は、大阪で洋食屋「パンヤの食堂」を開業した。客足は順調だった。
ある日、胃が弱く白飯とオムレツしか注文しない常連客に「くる日もくる日も同じものではかわいそうだ」と、ケチャップライスを卵で巻いた料理を提供した。その味にいたく感動した常連客は、その料理の名前を尋ねた。とっさに「オムレツとライス……。そうオムライスです」と答えたのが、オムライスの始まりである。
ひとりの料理人のおもてなしの心から生まれたオムライスは瞬く間に広がった。その後、日本を代表する料理になったことは言うまでもないだろう。
そして、パンヤ食堂は名前を変え元祖オムライスの名店「北極星」ができあがった。現在は、関西圏を中心に16店舗を展開する。