福島県会津若松市・郡山市・耶麻郡猪苗代町
日本全国に1万2千以上もある湖。その楽しみ方は、ボートに乗ったり、魚を釣ったりするだけじゃない! 思いっきり泳ぐ、てくてく歩く、島にわたる、湖底を眺める……など、湖の多様な楽しみ方を紹介します。
最寄りのICから【E49】磐越自動車道「猪苗代磐梯高原IC」を下車
最寄りのICから【E49】磐越自動車道「猪苗代磐梯高原IC」を下車
湖で泳ぎたい。
ベタベタとまとわりつくような夏の湿気のなか、私は思った。
海でもなく、川でもない。ひんやりした湖がいい。
10年前、アメリカのカリフォルニアを旅したときに、レイク・タホという湖までドライブした。雄大なシエラネバダ山脈のど真ん中、標高 1900メートルに位置するレイク・タホは、全米屈指の透明度を誇っている。
連なる山々を見ながら、湖畔のデッキチェアで本を読み、気が向いたら湖でちょっと泳いだ。雪解け水をたたえた湖水はびっくりするほど冷たかったけれど、その分どこまでも碧く澄んでいる。カヌーで漕ぎ出すとまるで空を飛んでいるかのようだ。たった1日だけの思い出。でも10年経った今でも、その風景が脳裏にやきついて離れなかった。
ああ、日本にもどこかレイク・タホみたいなところはないだろうか。
なにしろ日本には全国に約1万2千もの湖があるのだ。
中にはきっとレイク・タホのようなところもあるだろう。
そして、私が目をつけたのは福島県の猪苗代湖だった。
日本で4番目に広い猪苗代湖は、別名「天鏡湖」と言われるほど透明度が高い。しかも、湖畔にはいくつものビーチがあり、実は泳げる湖である。
標高は514メートルで、けっこうな高地ときている。
おお!? これは、行けるんじゃないか?
淡い期待感を胸に、私たちは夏の終わりに福島県に向かった。