未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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「吉田のうどん」の未来は任せろ!

世界にひとつだけの「うどん部」の挑戦!

文= 小野民
写真= 小野民
未知の細道 No.142 |25 July 2019
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#5朝練ならぬ朝うどん踏み

店をやり始めてから、放課後の部活だけでは足りず、昨年度から金曜日の朝8時45分からの1時間(昼間部と夜間部の2部制の高校なので始業は10時〜)は部活の時間になったそう。せっかくなので朝の部活動を見学させてもらうことにした。8時45分に部室に行くと、すでに粉に塩水を混ぜているところ。この日は店の分に加えてイベントやテレビ取材用のものも仕込むので、30kg分もの小麦粉を使うという。

荒練りの状態。こんなにぱさぱさいいのかと不安になるが、この後しっかり踏むから問題ないそう。

「今日は43%だぞ」と大久保先生の声。湿度計を見て加水率を調整するのは、部活動ならでは。「実際の吉田のうどん店のベテランのみなさんは、計らないで感覚でやっていますね。吉田のうどんについては、身近なのに意外と知られていないことが多いんです。うどんが硬い理由も、よく踏むからなどと言われますが、実際は小麦粉の種類による気がします。みなさん『竹』という中力粉を使うんですが、これで作るとすごくコシが出る。逆に、さぬきうどんでよく使われる『さぬきの夢2000』という粉を使うと、同じように作ってもさぬきうどんっぽくなるんですよねぇ」(大久保先生)。

  • 吉田のうどんに使う中力粉の定番「竹」に加えて、山梨県産小麦の「金獅子」をブレンドして使っている。

そんな話を聞きながら、私もうどん踏みを手伝わせてもらった。先ほどの塩水を入れた小麦をざっくりとひとまとめにする「荒練り」をしたら袋に入れて、体重や踏み方にもよるが10〜20分粉っぽさがなくなるまで、たまに折り返しながら踏んでいく。地味な作業だが、ここでしっかり生地がなじまないといけないから、手を抜くことはできない。

  • うどん部特性の唐辛子を練り込んだうどんMAGMAを作るところ。香りだけで辛そう。

私はやっと1袋4kg分を踏み終えて、時間終了。できた生地はさらに折りたたんで冷蔵庫で寝かせておく。授業を終えた放課後には、材料を日曜日に営業するスーパーマーケット、セルバのフードコートへ運び、さらに下準備をしておく。

踏み続けて20分ほど。部員のみんなからOKが出た塩梅。

未知の細道のに出かけよう!

こんな旅プランはいかが?

「吉田のうどん」を巡る旅

予算の目安400円〜

最寄りのICから中央自動車道(富士吉田線)「富士吉田西桂スマートIC」を下車
まずは腹ごしらえにスーパーマーケットセルバ内「うどん部」(基本的に毎週日曜11時〜14時オープン)へ。思う存分吉田のうどんを食べよう。そこで『Udon navi』を入手したら、他の吉田のうどん店をはしごするのもおすすめ。

ハタオリマチMAPを入手して、織物の街としての魅力を散策しても。

天気が良ければ最高の富士山が市内さまざまな場所からのぞめます。

※本プランは当サイトが運営するプランではありません。実際のお出かけの際には各訪問先にお問い合わせの上お出かけください。

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。