神奈川県横浜市
モダンな町として人々を魅了する横浜には、実は「花街」としての過去がある。かつては海沿いに料亭が立ち並び、芸者たちが町中を闊歩していたが、時代の流れとともに料亭が減少、芸者も姿を消したという。そんな横浜芸者が20年ぶりに復活! 知られざる花街としての歴史を遡るとともに、復活にかける思いを聞いた。
最寄りのICから【K2】首都高速神奈川2号三ツ沢線「横浜駅西口」を下車
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「芸者さんに会いに行ってくる」
そう言うと、人々は私が京都か浅草に行くと思うだろう。しかし私が降り立ったのは、みんなの知っているあの横浜。ショッピングセンターや飲食店でいっぱいのこの町と芸者のイメージはどうしてもつながらないが、実はおよそ60年前の昭和30年代、横浜には600名を超える芸者がいた。海沿いの高台には料亭が立ち並び、そこに通う芸者たちの姿が当時の「横浜」であった。文明開化を受け入れた横浜らしく、モダンと和が混ざり合う横浜芸者の出入りする料亭には、大企業の社長、政治家、詩人や文豪までが通ったという。
そんなに栄えた横浜芸者だが、なんと20年前を最後に途絶えてしまう。工業地帯としての発展と、風情を楽しむ花街の共存は難しかった。海は埋め立てられ、海沿いの料亭が次々と姿を消していき、芸者も同じく姿を消した……はずだった。
そう、私が今回、会いに来た芸者さんは20年の時を経て復活した横浜芸者だ。昨年4月に横浜芸者としてお披露目、その後8月に発足したという「横浜芸妓組合」を訪ねた。
ウィルソン麻菜